タンクの凹み修理方法5選を比較‐相場とメリット・デメリット

群馬県のハーレーのバイクタンクをデントリペア修理前

バイクタンクはバイクの顔なので、凹みは早く直したいですね。とはいえ、どんな修理方法があるかを知らなければ、どこに頼めばよいかもわかりません。

今回は、バイクタンクの凹み修理法5選の相場とメリット・デメリットをご紹介します。ひとくちにバイクタンクの凹み直しといいますが、凹みの大きさや場所、塗装の状態によってベストな修理方法は異なります。

目次

バイクタンクの凹み修理方法

1.新しいバイクタンクと交換

新品タンクに交換するのが、一番簡単な方法です。現行のバイクであれば、ガソリンタンクは各メーカーより部品として入手可能です。

しかし、純正部品の供給は、生産終了から10年。10年を経過すると、メーカー在庫限りとなりますので中古部品を探すことになりますが、古いバイクほど入手は困難、高額です。

自分の乗っている旧車バイクの必要な部品や欲しいと思っている絶版バイクの部品が、多少高くても手に入れることができるというのは、実はとても幸せなことなんだと実感しています。

2.デントリペア

デントリペアとは、特殊な工具を使い、バイクタンクの内側から、ヘコミやくぼみを押し上げて修復する方法です。

鈑金塗装と違い、再塗装をしないため色が変わることもありません。そのため査定時に影響が出ないのもメリットです。

凹みが大きすぎたり凹みの場所が悪かったりすると、デントリペアでは対応しきれないこともありますが、見積は無料で行っているところも多いので、まずは専門家に相談してみるのがいいでしょう。

3.板金修理から再塗装

板金修理では、タンクの底を切開して凹みを内側から叩き出し元の形に戻す方法が一般的です。

凹みがそれほど大きくない場合は、凹み部分に溶接したワッシャーに器具を引っ掛け、引っ張り出して直します。

板金修理は大きな凹みにも対応できますが、いずれの方法でも、塗装をいったんはがしてから加工を行い、最終的に再塗装して仕上げるため、オリジナルの塗装は失われてしまいます。

アルミタンクの溶接は、鉄、スチール製などに比較すると概して弱い傾向にあります。

板金作業中に発生する亀裂=クラックや歪みに気が付かずに塗装すると、後々ガソリン漏れなどの重大トラブルが発生することもありますので、業者選びは慎重にしてくださいね。

Z1000MR2のアルミタンク
Z1000MR2のアルミタンク

4.安価に直したいならパテ埋めから再塗装

パテ埋めは、凹み箇所の塗装を削り取ってからパテで凹みを埋め、研磨・再塗装する修理方法です。板金修理の凸凹を直す仕上げとして用いられることもあります。

修理に用いられるパテは数種類ありますが、バイクタンクでは主に以下の3種類を、凹みの状態に合わせて使い分けたり併用したりして直します。

  • 板金パテ:主に下地用
  • ポリパテ:単品での修理も可能
  • ラッカーパテ:ピンホールや仕上げ用

凹みが大きい状態でパテ埋めを行い再塗装の後、時間が経つと、脱落やひび割れ、パテ痩せが生じる場合があります。ご注意ください。

5.DIY 自分で修理

amazonでもデントリペアキットを使った修理方法を実践形式で紹介しています。

デントリペアツール
デントリペアツール

デントリペアキットは凹んだ所にホットスティック(ホットボンド)でネジをきった棒を貼り付け、それを器具で引っ張る、という極めて原始的な方法のものが多いようです。

安いものだと2,3千円位から手に入ります。「なるべく安く、遠目でみて、ある程度目立たないくらいの仕上がり」で満足の方は、いいかもしれません。

バイクタンク凹み修理費用の相場

正確な修理費用は見積で確認を

修理費用は、凹みの大きさや場所のほか、塗装の状態などさまざまな要因で違ってきます。そのため、一概に1ヶ所いくらとは決められません。

以下はあくまで目安とお考えいただき、正確な額は見積でご確認ください。

①デントリペア10,000円~
②板金修理20,000円~+塗装費用
③パテ埋め10,000円前後+塗装費用
④塗装費用10,000円前後~
⑤DIY(デントリペアキット)2,000円~

板金塗装に抵抗がある方にはデントリペア

板金塗装の場合は、バイクタンクの当時の質感のオリジナル塗装がなくなってしまうので、オリジナル塗装にこだわりがある方はデントリペアがオススメです。

ビンテージハーレーカスタムのタンク修理前
ビンテージハーレーカスタムのタンク
ビンテージハーレーカスタムのタンク修理後
デントリペアで修理

アンティーク的価値のある「ビンテージハーレーカスタムのタンク」板金塗装をしてしまえば価値がなくなります。元々の塗装の割れをそのままで凹みを直ししてアンティーク的価値がさらに高まった感がします。

また、最近は、板金・塗装も価格競争にあります。

大手商社が、短期間・低価格での軽鈑金・塗装事業に参入してきたことが要因です。ガソリンスタンドで「キズ修理」を行うことも普通になってきました。

「未経験者でも短期間の研修と実習を経た後に自動車についたキズの板金・塗装修理を簡単に行えるという新手法により、従来の約半分の時間と料金でサービスを提供」しています。

その波をうけて、腕の良い「鈑金工」の仕事が激減しているとも言われています。ただ再塗装に抵抗がない方は、板金塗装の選択肢もありです。

修理費用の算出法

板金での修理費用は、凹みの大きさ、凹み具合などで決まるようです。デントリペアの場合は、上記にプラス、修理の難易度も加わります。

デントハリマは、全国より宅配修理をしています。お問合せ時に、「お問合せ事項」「凹みの写真」「給油口の写真」を送っていただきます。

それを元に、修理の可否や直せる場合の概算見積もりを、電話かメールでご連絡させていただいています。

板金・パテで見落とせない塗装費用

タイガードライラック社の標準色見本
タイガードライラック社の標準色見本
https://www.tiger-coatings.com

板金修理やパテ埋めでは再塗装が必須となりますが、再塗装に掛かる費用は、修理費の幅より大きくなるケースもあります。

また、全体の費用に占める割合も、塗装費のほうが大きいことも少なくありません。

塗装の種類(ソリッド・パール・ラメ・キャンディーカラーなど)だけでなく、マークやラインの有無、単色もしくはツートン、ステッカーの有無などによって、塗装費用は大きく変わります。

また、再塗装は修理箇所だけ行えば済むというものではありません。ぼかしを入れたり、タンク全体を塗装し直したりと、広範囲にわたります。

塗装費用の目安としては、10,000円程度から40,000円前後が相場ですが、上記の理由からそれ以上の額になることもあります。

また、外国車の純正カラーは指定工場でしかできず、費用は10万円以上掛かるケースも稀ではないようです。

5つの修理方法|メリットとデメリット比較表

デントリペア・鈑金・パテ、それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
①デントリペア



・短時間で修理できる
・再塗装が不要
・技術料のみ
・修理歴が残らない
・凹みの大きさ・場所によっては修理できない
・塗装の傷みは直せない
・やり直しが難しい
②板金修理・大きな凹みも直せる
・塗装をリフレッシュできる
・修理期間が長い
・再塗装が必要
・修理費用が高額になりがち
③パテ埋め・短時間で修理できる
・比較的安価
・大きな凹みには不向き
・再塗装が必要
・パテの脱落やひび割れの発生
④塗装・カラーリング変更でイメージが大きく変わる
・カスタムペイントで他の人とは違ったカスタムを楽しめる
・オリジナル塗装を守れない
・複雑なキャンディーカラーは、濃度や塗膜厚が難しい
・ステッカーラインやシールが塗装の下にあると複雑に
・使う塗料の色数や色の種類でも、料金に差が出る
・下取りが安くなる
⑤DIY(デントリペアキット)・安価でできる
・自分でできる
・塗装が剥がれる
・引っ張りすぎて出すぎた
・へこみの状態によっては、損傷を余計に広げてしまうこともある

板金修理が高額になりがちな理由は、工程が多いため手間と時間がかかるためです。また、設備や材料の費用も必要となります。

デントリペアでは、工程がシンプルなことや、大掛かりな設備や特別な材料が不要なことから、技術料のみの凹み直しが可能となっているのです。

その分、職人の経験と腕に負うところが大きく、板金修理やパテ埋めでの修理以上にお店選びが大切になります。

バイクタンクの凹み直しはお店選びから

バイクタンクの立ちゴケのような凹みのご相談は、まずデントリペアのお店にされることをおすすめします。これはデントハリマがデントリペア専門だから言っているのでは、決してありません。


デントリペアは専門的な技術であるため、鈑金屋さんはデントリペアの知識を持っていないことがほとんどです。
そのためバイクタンクが最初に板金屋さんに持ち込まれた場合、デントリペアで直せる凹みでも板金修理やパテ埋めをすすめられます。

そういう理由で、バイクタンクの凹み直しはまずデントリペアのお店で相談されることをおすすめします

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